かおがまるいWorks

自分自身はかおがまるくありません。

かおがまるいはなぜサーナイトexを殺さなかったのか

やっとCLで好成績を残せました。

ポケモンカードゲームでは「かおがまるい」の名前で活動しているなべちよです。

デッキ内容の話とか採用理由とか、各対面で心掛けることは詳しく解説できる気がしないので、サーナイトexを持ち込んだ理由をおもしろおかしくお話しできたらな、と思います。


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使用デッキ

改めて使用デッキはサーナイトex。

 

はじめに

サーナイトexはカウンターゾロアークに近しいデッキです、以上。

この一文でわかる人もいると思います。

多分これを理解できた人は以下の駄文は意味をなさないものだと思います。

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

デッキ選択の経緯

デッキ選択の主な理由は@DriApiでツイートしたように

・前週のシティでミライドンが増えたように感じ、クレッフィに屈したくなかったから

・前週にロストギラティナでシティベスト4を決めたものの、CLというトッププレイヤーが集まる場で上位を目指すにあたり、上位勢とのロストミラーに自信がなかったから

・手札がいっぱいあると気持ちいいから

クレセリアを上手く使えたらイキれると思ったから

などなど。

 

シティリーグにサーナイトexを持ち込まない選択

SV環境に遷移した直後からサーナイトの考察・実戦を繰り返していたものの、シティ1週前にあたる2月10日前後までにサーナイトexを厨陳とした複数のアーキタイプを試行錯誤するも、しっくりくるものがなく、そのまま所謂Tier1とされているロストギラティナに方向転換。一度サーナイトを諦めることに。

その後、2/19のシティリーグ八王子ではロストギラティナでベスト4を記録することができるも、実際に考察していた環境とは程遠い環境であったため、CLでの続投を保留することにしました。

シティでは一撃ルギアを重く見た†↑トロピを舐めすぎ†構築を使ったものの、実際に八王子には一撃ルギアはおらず(ルギアにビビり過ぎ)、ロストミラーやアルセウス対面が頻発。実際に戦っていてアルセウス系統はかなり立ち位置がいいのではと感じ、翌週のCLでも似たようなアーキタイプ*1が台頭するのではないか、また他会場においてはかなりミライドンが数を伸ばしていたため、「クレッフィ2面置き」に対する「アビスシーク」に対する「ライコウV及びミライドンによるギラティナVのワンパン」という形でロストギラティナにおけるクレッフィへの解答を否定できる手段を持ち合わせているミライドンexを中心としたアーキタイプとの対戦を忌避したいと考えるように。

 

CLに持ち込むデッキに求める要件を満たしていたサーナイトex

CL前週のシティリーグを巡る環境について考える中でCLに持って行く要件として下記を挙げました。

1.クレッフィの影響を最小限に抑えることができること

2.サポート以外の方法で手札を補充できること

3.最大勢力はロスト系統であると仮定できるため、それらのアーキタイプに対してサイドレースで後れを取らないこと

4.一撃ルギアが増えてきた中で、イシヘンジンをサイド1枚のポケモンで処理でき、かつイシヘンジンを倒すことによるサイドのズレが問題にならないこと

5.1日あたり最大9回戦を戦うにあたって、細かい分岐や選択肢によって脳のリソースの無駄使いや精神的な疲弊が蓄積しないこと

 

これらの要件を満たす要素として

1及び2→主なドローソースであるキルリア及びサーナイトクレッフィの影響を受けずにドローが進められる

3→クレセリアによって前をウッウやゲッコウガで縛りながらキュワワーヤミラミを処理することが可能であり、ヤミラミが起動した場合もロストマインによる被害をクレセリア1枚で受け切ることが可能である

4→メインアタッカーのサーナイトは2進化であり始動は遅いものの、イシヘンジンは容易に見ることが出来、その後も後続のサーナイトで戦うことが可能であるほか、最終的にスターオーダーによる捲り要素が存在するため、対等に戦うことができる

5→所謂「引いたカードで戦う」要素が強く、山の構造上サーチカードが多投されていることから、特別な場合を除いて複雑な思考は必要ないと予想される

 

以上が挙げられるサーナイトexがまさかの最右翼に。

よりによってシティに持って行くことを諦めたデッキがここで現れ、思わず頭を抱えることになったのは秘密。

サーナイトexというアーキタイプ自体は自分の性にもあっていたためか、非常に使いやすく感じられたのは事実であり、シティ前ではそれでも勝ち切れないという点が多くシティへの持ち込みは断念した経緯がありました。

実際にサーナイトについて再考を始めたのは2/21の火曜日、実戦でデッキに触れる機会は22日~24日の3日間しかないと予想されたものの、幸い23日は祝日であり、よく練習しているメンバーを集め、壁をしてもらうことが決まっていたことから、その練習でダメだったらすべてを諦めてロスギラを続投させようと考えていました。

 

実際にサーナイトexと向き合うということ

サーナイトexを考察するにあたり、真っ先に考えたのは、何故シティ前に「このデッキに見切りをつけたのか」という理由を再度洗い直すことでした。

サーナイトexを諦めた時に使用していたリスト

スカーレットex・バイオレットexが発売された当初、下記のようなデッキリストを想定してサーナイトexを組んでいました。

SV発売当初に考案したサーナイトex

この頃はそもそも「アルカナシャイン」のサーナイトが入っておらず、サーナイトexによる殴り合いを強く想定した作りになっていたと思います。まけんきハチマキ込みでサーナイトexが220打点を出せるようにしてあり、主にたねVやたねexをワンパンして戦いを有利に進めたいという意図が読み取れます。他にもサブアタッカーとしてフワンテやガラルフリーザーが採用されており、小型ポケモンでの殴り合いもある程度想定された「サーナイトツールボックス」のような構築に見えるかもしれません。

 

続いて2/4に開催されたちからもち杯で使用したデッキリスト

2月上旬に考案したサーナイトex

クレッフィクレセリアが採用され、ロストへの殺意が高いように見え、他にもジャッジマンという手札干渉カードが採用されていますが、未だに「アルカナシャイン」のサーナイトが採用されていないなど、中途半端な印象が抜けないリストとなっています。
ちなみに2つのリストで共通している「コトブキムラ」については、先攻であろうと後攻であろうと殴り初めまでに時間が掛かり、「リファイン」キルリアを中継した場合、1ターン目以降にも発動する機会が得られ、手札を安定させることが可能であると考えた上で採用されています。

 

これらの2つのリストから伺えることは、この頃のぼくのリストはかなり不完全であり、特に「アルカナシャイン」による手札増強及び「ブレインウェーブ」による低リスクでの高火力の押し付けについて、理解が及んでいないことが伺えます。

ほかにも、ミラージュステップを使用する型やVIPパスで横展開を重視する型などを考察しましたが、やはりしっくり来るものはありませんでした。

 

さて、ここまでお読みいただいたことで賢明な皆さまはお気付きかもしれません。

 

その通りです。

弱いのはサーナイトexではなく使用者であるぼく自身でした。

 

実際に上記のようなリストを使用している間や、ロストギラティナに浮気していた間にシティリーグ等で結果を残していたサーナイトexデッキに目を向けた時、ほぼ全てのデッキ*2に「アルカナシャイン」のサーナイトが採用されていました。

結果を残したリストを参考にするのはTCGにおける基本中の基本。すぐさま「アルカナシャイン」採用型のデッキをインプットし、デッキリストの読解を始めました。

 

サーナイトexの強み

主にサーナイトexの強みとして

1.HP310という高耐久かつサイドを2枚しか取られないコスパの悪さからヘイトが向き難く、試合中盤における不意のボスで呼び出されたとしても環境全体においてワンパンする手段が乏しいシステムポケモンである

2.展開の途中で「リファイン」及び「アルカナシャイン」と言った手札増強カードが自然に盤面に並ぶ

3.「アルカナシャイン」サーナイトで殴る際、高い火力とは裏腹にサイドは1枚しか取られない

4.採用されるグッズの大半がボール系であり、空打ちや「リファイン」のコストとしてトラッシュすることで山札+手札の純度が上がり、中終盤のジャッジマン及びツツジにある程度の耐性を作ることができる

5.青天井の火力は相手を選ばずにワンパンが可能であり、空の封印石と合わせて捲りが利きやすい

 

と言った5点が挙げられると考えました。

特に赤字の部分は2月の上旬の段階では自力で気付けていない点であり、改めて入賞デッキを調査している中で新しく気付いた点と言えます。

 

サーナイトexの弱み

逆にサーナイトexの弱みは

1.2進化ポケモンでありスピードが遅く、相手の展開次第ではゲームスピードが間に合わない場合もある

2.複数枚の進化ポケモンを並べるため、準備段階で盤面を崩されるとリカバリーが効かなくなる*3

3.殴るポケモン=システムポケモンであるため、不用意に殴るとシステムポケモンが倒されてしまい、手札やエネルギー供給が止まることで負けに直結する可能性がある

 

という点がそれぞれ挙げられると考えていました。

実際にこれらの弱みについてはシティ前の段階で認識しており、特に「弱み1.2」がネックとなり、サーナイトをシティに持っていかないことを選択したのですが、シティリーグ等で結果を残しているサーナイトex系統のアーキタイプを調査する中で、強み・弱みの部分について大きな考えの転換、認識の違いがあったことに気付きました。

特に「弱み3」については「アルカナシャイン」を採用していないからこそ自分が感じていた点であり、「アルカナシャイン」を採用した場合、この「弱み3」は解消することができるというのが一番の気付きでした。

 

浮き彫りになったサーナイトexに対する認識の齟齬

これらを踏まえた際に、自分の中でサーナイトexに対して認識の齟齬が生じていたことがハッキリとしました。

 

認識の齟齬を解消した際にサーナイトexについて下記のような指針が自分の中で生まれました。

1.サーナイトexはシステムポケモンに徹するべきであり、非ルールポケモンやHP190以下のポケモンVを倒す際以外には使用しない

2.サーナイトexに進化した後は手札が増強できないため、キルリアを盤面に維持する場合が多かったが、実際は「アルカナシャイン」へと進化させ、更なる手札増強に努める必要がある

3.メインアタッカーは「アルカナシャイン」のサーナイトで完結しているため、余計なアタッカーを採用する必要はない

4.盤面形成速度が直接デッキパワーに直結するため、クレッフィなどの妨害特性で時間を作るという行為はベンチ枠の圧迫という点を含め、コンセプトに対して矛盾した行為である

 

実際に持ち込んだデッキについて

これらの強み・弱み・指針を基に組まれたのが実際にCLにも持ち込んだ下記のリストとなります。

 

「盤面構築に特化し、多少の崩し程度であれば復帰することが可能」であることをコンセプトとしています。

個人的にサーナイトexにおけるバトルVIPパスは必須カードであると断定し、その上で「ミラージュステップ」を組み合わせ、最終的には4体以上のサーナイト及びキルリアを並べることを目標とします。

また、クレセリアを2枚採用することで「げっこうしゅりけん」、「おとぼけスピッド」を駆使して序盤から盤面の破壊を狙ってくるロスト系統のデッキに対して強くカウンターを決められるようにしました。

個人的に超エネルギーは最大9枚しか使用しないため、10枚でもなんとかなるという信条の元、このリストで出場しましたが、実際には10枚であることが負けに直結する試合があったため、霧の水晶4枚目をエネルギー現物に変更することが望ましいと思われます。

 

その他のカードの採用理由については特筆するべき点はないと思います。

リストの内容を含め、質問をいただければ出来る限りお答えしたいと思いますが、基本的にこのデッキは状況によってプレイングがかなり変化するタイプのデッキであり、常に動きをパターン化しているわけではないため、具体的な回答は難しいと考えています。また、自分自身がこの記事に「Aの時はBの行動をする」と書いてしまった際に、この記事の内容ありきでプレイを進めてしまうことを嫌うため、ここでは詳細なプレイングについては一切記載しません。やるべきことは最終盤面のサーナイトの必要枚数を想定しながら盤面を作ることあり、ひとつだけ注意するべき点を挙げるとすれば「サーナイトサーナイトexにはなれない」という点だけです。

 

実際に練習中からこのデッキを使用する中で、対ロストに高い勝率を誇ったほか、目立った事故もなく、確実に盤面形成には成功しているという点で、予選の9戦を戦い抜く力があると判断し、今回CL愛知にてこのデッキを持ち込みました。

 

かおがまるいはなぜサーナイトexを殺さなかったのか

弱いのはサーナイトexではなく自分自身と気付いたからであり、一度諦めたデッキの強さを再確認し、禊の意味も含めて自分はこのデッキと共にまだまだ強くなれると感じたことが一番の理由でした。自分より強い奴を殺せるわけがない。

 

終わりに

サーナイトexというデッキについて、実際に扱ってみると考えることがそこそこ多く、難しく感じる方もいるかと思います。冒頭に書いた通り、このデッキはSM期におけるカウンターゾロアークに近い系統のデッキです。1ターン毎の「リファイン」や「アルカナシャイン」の内容で切るべきカードが変わるほか、「リファイン」、「アルカナシャイン」を使用するタイミングすら考えなくてはいけないのも事実です。新しいアタッカーを用意するためには頂への雪道を割る必要があり、窮屈な思いをすることもあります。しかし、デッキ自体の爆発力、潤沢な手札から様々な戦略を適宜選択していく様は、まさに「カードゲームをしている感」が強く、非常に楽しく気持ち良いものです。

 

優秀なドローソースとHP310を誇るポケモンカードゲーム史上類を見ない豪快かつ繊細なエネルギー供給から繰り広げられる爆発力を皆さんも楽しんでいただければと思います。

 

本記事に関するご質問は@DriApi、もしくは@Dye_the_sky_までお願いします。

*1:アルギラやリファイン及びビーダルアルセウス系統

*2:一部ミュウツーV-UNIONを使用したアーキタイプを除く

*3:特に「げっこうしゅりけん」から帰ってくることが難しい